ガラス工芸に魅せられて

ガラス工芸とは

ガラス工芸とは

ガラス工芸(英語:Glass art)とは、ガラスを用いた工芸・美術の総称です。ガラス造形・ガラスアート・グラスアートと言う場合もあります。ガラス工芸は、制作工法・素材・年代・地域・素材・メーカーなどに多岐の分類が出来ます。また、ガラス工芸は日用品、骨董・アンティーク、美術品・工芸品、現代アートまで、非常に広い範囲の創作表現方法、創作物を含みます。その歴史は、大変古く、紀元前以来のガラスの歴史に遡ります。

ガラスの成形技法

ガラスの成形技法とは、ガラス素材を形作るための技法のことです。下記にまとめてみました。

コールドワーク:冷めた状態で成形する加工技法。

  • カットグラス:透明なガラス、または色ガラスを被せた生地に、さまざまなパターンをカットし模様を施すもの。日本では切子と呼ばれます。地場産品としては「江戸切子」「薩摩切子」があります。
  • エングレービング
  • エッチング
  • サンドブラスト:高圧の空気と砂を吹付けることで、ガラスを切削する技法。マスキングをすることで、様々なデザインが可能になります。

キルンワーク:電気炉の中で熱変形させる加工技法。

  • キルンキャスト: 粘土やワックスで作った原型を耐火石膏等で型取りし、そこへガラスを流し込む、ガラスで言う鋳造技法です。
  • パート・ド・ヴェール:粉状の色ガラスをのり等を使って、型表面に施し多彩で緻密な表現が可能になる技法。中世では、その技法が秘伝であったため、幻の技法と呼ばれたこともあります。
  • フュージング:熔着することで、ガラスどうしを融かした状態でつなぐことを全般にこう呼ばれます。キルンワークでは一般に、板ガラスを融かしあわせることを呼びます。
  • スランピング :板ガラス等を型に沿わせて変形させることで、フュージングとあわせて行うことが多いです。

ホットワーク:高温で熔融しやわらかい状態で成形する加工技法。

  • 吹きガラス :熔融したガラスを、吹き竿に巻き取り、息を吹き込んで成形する技法。主に器を作るためにローマ時代ごろに成立し、現代でもほとんどその方法は変わっていません。
  • ホットキャスト

バーナーワーク:ホットワークの一種で、卓上バーナーを用いての加工技法。ホットワークとは別に分類されることもあります。ランプワーク、フレームワークとも呼ばれます。

  • 酸素バーナー:可燃ガスと酸素ガスを混合した炎を使って、直接ガラスを融かしながら行う技法。耐熱ガラスの成形が可能です。
  • エアーバーナー:可燃ガスと圧縮空気を混合した炎を使って、直接ガラスを融かしながら行う技法。鉛筆程度の太さの棒を使うことが多いです。

スタジオグラス

スタジオグラスは、現代ガラス・スタジオガラス・モダングラスともいわれます。工業生産主流のプロダクト製作やデザインの活動をしていた企業内のガラスデザイナー・ガラス作家・職人(クラフトマン)による会社による発展から始まりました。

スタジオグラスの発展

1970年代に主としてでアメリカで起こった「スタジオグラス」運動(ムーブメント)を受けて、個人制作者(作家・工房)による非営利的な部分を持った独自で多彩なアート表現を持った制作も盛んになり発展をしてきました。

工業生産と個人ガラス工芸家

当初は、工業生産的な流れから発展したものと、個人制作家たちによるものの流れが別種のものとしてあったものの、現在では、販売やギャラリーを通じてやガラス学校の創設による師弟の関係、あるいは作家の団体や各種コンテストなどの場において、個人・企業出身を問わず多くの接点をもって発展しています。また、観光地でのお土産や体験を中心にした地方での工房展開も見られます。

吹きガラス

吹きガラスとは、ガラス工芸の技術のひとつ。熔解炉などで高温溶融されたガラスを、吹き竿に巻き取って、息を吹き込んで成形するガラス工芸技法です。紀元前1世紀半ばに東地中海沿岸のフェニキア人によって発明された技法であり、製法は古代ローマの時代からほとんど変わっていません。

  • 宙吹き:ベンチと呼ばれる作業台を使用したりして、中空で吹き上げていく技法のこと。
  • 型吹き:型に吹き込んで成形する技法のこと。主に金型、木型、石膏型等が使われます。

ガラスエングレービング

ガラスエングレービング(glass engraving)とは、ガラス工芸技のひとつで、リューター等の電動工具を使いガラスに絵や模様を彫ります。全て手作業で行うため、大量生産には向きませんが、型やマスキング等を必要とせず臨機応変に彫ることが出来るため、贈答品などの個人名の刻印等に向いています。また、使用する工具が比較的安価なため趣味ではじめる者も多くいます。

ガラスエングレービングとグラスリッツェン

グラスリッツェンと混同されがちですが、電動工具を使用しないグラスリッツェンとは手法が違うため別物です。

手法

手法の性質上、彫るか彫らないかの二色しか表現できないため、日本では文字や線のはっきりしたイラストしか彫られていませんでしたが、2010年に動画投稿サイトで濃淡をつけた作品が公開されてからは、その手法に習った作品も多数見受けられるようになりました。

ラミネート加工

ラミネート加工(英語:lamination)とは、紙の表面に透明のフィルムを貼ること。ラミネート、ラミ加工、パウチ加工ともいいます。印刷物を保護し、色落ち・摩耗の防止、美観を良くしたり、高級感を増すことができます。不正な改造・改竄を防止することもできます。また、ラミネートチューブを作る際の原材料となるシートを作る際にもラミネート加工が用いられます。

欠点

一方で、フィルムと印刷物の間に接着剤を塗布しているため、塗装部が剥離すると、印刷物の表面とフィルムの間に隙間ができて、そこに入り込んだ異物を除去しにくくなることがあります。

包装とラミネート

ラミネート加工は、工業製品に接着して密封する包装全般をも指します。新品の携帯電話の液晶パネル上に貼られている保護フィルムや、ホームセンターで販売されている工作用のアクリル板やアルミ板の表面に貼られている保護フィルムなどがあります。

キルンワーク

キルンワーク(Kilnworking) は、ガラス工芸で使われる加工技術の一つで、冷えたガラスを組み合わせ、電気炉に入れ加熱し、変形・融着させる手法のことです。

種類

  • パート・ド・ヴェール - 粉状のガラスを耐火石膏で作った型に詰め、加熱する技法。
  • スランピング - 耐火石膏で型を作り、その上に板ガラスをのせて電気炉内で加熱し、変形させる技法。型の凹部にガラスがたまります。
  • フュージング - 板ガラスやガラスフリットを専用の糊を使用して貼付け、電気炉内で加熱することによりガラス同士を熔着させる技法。
  • 絵付け - ガラスの表面を顔料(エマイユ(エナメル)やグリザイユ、ジョンダルジョン(シルバーステイン)など)によって彩色し、電気炉内で加熱して顔料を焼き付ける技法。

ガラス工芸の展示がある美術館

黒壁ガラス館

黒壁ガラス館は、滋賀県長浜市の中心市街地黒壁スクエアにある、明治33年に建てられた国立第百三十銀行の跡を利用したガラスのアートギャラリーです。1989年(平成元年)にオープンし、現在では多くののガラスショップや工房、ギャラリー、美術館が建ち並ぶエリアとなりました。年間約300万人の観光客でにぎわっています。

石川県能登島ガラス美術館

石川県能登島ガラス美術館は、石川県七尾市に所在する美術館です。公立では日本国内唯一のガラス工芸をメインとして展示する美術館。ピカソやシャガールの原案によるガラス彫刻や中国清朝ガラスなどが展示されているほか、約300点の現代ガラスアートの作品を収蔵・展示しています。また、14点の大きなガラスのオブジェを設置した屋外庭園を散策することもできます。

サントリー美術館

サントリー美術館は、東京都港区赤坂九丁目にある、日本の古美術が中心の私立美術館である。運営は、公益財団法人サントリー芸術財団。

コレクション

サントリー美術館のコレクションは、戦後に、1つのテーマをもって集められたものである点がユニークです。江戸切子・薩摩切子・エミール・ガレ等の硝子工芸品も代表的なコレクションのひとつ。近現代美術を収集していた大阪府大阪市港区のサントリーミュージアムとは好対照です。